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青花匠日記
オートクチュールのご紹介
梅雨の時期となり工房敷地内の紫陽花が、ジメジメした感じを爽やかにさせてくれます。
さて、今年4月にオートクチュールの作品についてご紹介しましたが、ありがたいことに3枚目となる依頼を受けました。その作品が完成しましたのでお客様のご了承のもとに紹介させていただきます。
作品名は「水紋菊」。夜、月の光で水面に浮かび上がる菊をイメージしてデザインされました。
今回はお客様の原案を大事にしながら、私達もアレンジをさせていただきました。前回もそうでしたが、特別なご依頼については形になるまで可能な限りコミュニケーションを心がけます。
まず構図をとり、鉛筆で下書きをします。形状の余白のバランスを確認しながら、ミリ単位で適正な位置を求めます。その後、墨汁で必要な部分を描き塗ります。次にダミ筆で濃淡をつけた後、電気窯で墨汁の部分を焼きます。そして窯から上げてエアーガンで墨が残っている部分を吹き飛ばします。このとき呉須まで剥がさないように慎重に作業をしなければなりません。ここが一番気を遣います。
あとは釉薬場の職人さんに委ねます。このような工程の流れで完成した作品が下の写真です。お客様も大変喜んでいただき、私達も安心いたしました。
お客様がデザインされた水紋菊は大胆で力強く勢いを感じさせます。また余白も意識されて料理が映えそうです。
今後もこの御縁を大事にさせていただき、お客様のご理解のもとに何らかの形が出来ればと願っています。(2012/6/23)