有田焼の産地・佐賀県有田町で、1616年(元和2年)に陶祖・李参平によって日本で最初に陶磁器がつくられました。
有田の地に工房を構えるしん窯は、1830年(天保年間)に有田皿山・外山に創業し、鍋島藩の指導のもとに民窯として築かれました。
約100年間、新登り窯は大皿や大鉢など大物(荒物)専用の窯として焚かれました。
「新登り窯」から「新窯」と呼ばれ現在の社名「しん窯」へと引き継がれています。
1976年(昭和51年)に発表した「青花」は、”藍色と白の染付のうつわ”を意味するしん窯のブランドです。江戸時代に有田で生産され浸透した古陶磁は、色合いや形状に新鮮な魅力があり現代の暮らしにもよく合います。
しん窯は”後世に残るやきものを創る”ことを理念に、古陶磁の風合いと温かみを表現しながら、飽きのこない暮らしのうつわづくりに取り組んでいます。
◆しん窯の「青花」の特色◆
・形状のおおらかさ
・絵柄の楽しさ、ユニークさ
・呉須の味わい
・釉薬の温もり
・全体的に暖かく、ひかえめで、飽きのこない暮らしの器
【手作り手描き】
しん窯では、品質安定維持という観点からローラーマシンによる生地作りも行っていますが、そのほとんどは多くの職人の手を通して器を作っています。
また、青花を楽しむ条件としては手描きの面白さを知ることだと思います。あくまでも手描きにこだわり、一つ一つをスタッフ一同が真心を込めて作り上げていくうえで、注目してもらいたいのが、絵柄の移り変わりであると思います。
たまに絵が違うとのお声をいただくことがありますが、これは短所でもあり、長所でもあるといえます。時代の流れや人によって絵柄が変わり、それが個性をもった器となります。これも一つの味わいだと思っていただければうれしい限りです。
工程は大きく分けて、成形する「細工場」、絵を描く「絵描き座」、釉薬をかけ焼く「窯場」の三つに分けられます。